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2023年度:早慶大学1年生の長女と公立中学3年生の次女。2人の子育てから分かってきた効率の良い学習や効果の高い勉強法などについてお伝えしていきます。その他、経験に基づいた記事を心がけながら、勉強に役立つ情報をお伝えいたします。

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高校受験での偏差値を正しく理解しよう!

 模試が返ってくると、また、偏差値が足りなかった・・もっと頑張らないと!と思うことも多いですね。偏差値について正確に理解し、数字にふりまわされずに冷静な判断ができるようになりましょう。

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こんにちは!たこあんどわさびです。

 

受験校を選ぶときや合格できるかどうかを模試で判断するときに使われる偏差値について考えてみました。偏差値とは一体どういうものなのか?をしっかり理解することで、志望校への挑戦が無謀なのか?可能性があるのか?についても正しく判断できるようになるのではないでしょうか。

 

 

偏差値って何だろう?

 偏差値とは、学力検査の得点を、全体の平均点と標準偏差により正規化した値です。標準偏差はその試験の点数のばらつきを数字にしたものです。例えば、受験生の点数が0~100点と広く分布している場合には標準偏差は大きくなり、40~60点と狭い範囲に分布している場合には標準偏差は小さくなります。

 

日本の学力偏差値は平均点を50点、標準偏差を10に補正した(正規化した)値となります。

偏差値 = 50+(得点 − 平均点) ×10  / 標準偏差という計算式で求めることができます。

 

つまり、いろんなかたよりがある試験の得点を下記のような理想的なばらつき(標準偏差が10)のグラフに変換した値ということです。

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ここまでの偏差値の話では、なんだかよく分からないなぁと思われたかもしれません。

 

つまり偏差値とは、平均点もばらつきもその時によって違うテスト結果を平均点を50点として、理想的にばらついたと考えたときの値と理解しておけばいいと思います。

 

そうなると、例えば山が2~3つあるようなばらつきだったり、極端にばらついたりばらつかなかったりすると必ずしも偏差値が正しい値ではないということが分かります。偏差値が1~2変動したとしてもそれは誤差の範囲です。その点は理解しておきましょう。

 

偏差値の目安はどれくらいでしょうか?表にしてみました。

偏差値 上位何% 100人中何位
75 0.60% 1位
70 2.20% 2位
65 6.60% 6位
60 15.80% 15位
55 30.80% 30位
50 50% 50位
45 69.20% 69位
40 84.20% 84位
35 93.30% 93位
30 97.70% 97位

 簡単にいうと偏差値70以上は超優秀、偏差値60台なら優秀、偏差値50あたりは普通といったところでしょうか。

 

注意してほしいのは偏差値は同じ母集団で比較したときの値になるということです。

 

例えば、埼玉県人の受験生がほとんど受ける北辰テストと難関国私立を目指す子がメインに受ける駿台中学生テストでは、受験者のレベルが違いますので比較することはできません。北辰テストならば偏差値65の上位にいることができても、駿台中学生テストでは偏差値50になってしまうということはよくあります。同じ人であっても受けるテストで偏差値は変わってくるのです。

 

 

受験生のレベルがほぼ同じであると思われる模試では偏差値を比較することができますが、同じわけではないので必ずしも偏差値だけですべてが分かるわけではないということを理解しておきましょう。

 

合格率ってどういう値?

合格率ってなんだかピンと来ない感じがしませんか?本人にとってみれば、合格するか(100%)合格しないか(0%)しかないような気がするんです。

 

合格率とはその点数の人が受験した場合に何人の人が受かるのかというのを数値にしたものです。

 

つまり、合格率80%と結果が出た場合、その試験で同じ得点だった人100人が入試を受けたら80人受かるかもということです。合格率10%ならば、同じ得点だった人100人が、入試を受けたら10人が合格するかもということですね。つまり結局は入試で何点とれるか?ということが大切だということです。合格率80%でも不合格の人が20%はいるということですから。

 

 

高校の偏差値ってどうやって決まっているの?

 高校ごとの偏差値って決まってますよね。あれってどうやって決まっているのか疑問に思ったことはありませんか?どうやらテスト会社によって決められているようです。自分たちの模試を受けた受験生の偏差値を管理し、入試時にどの偏差値の生徒が合格だったか?不合格だったか?を分析します。そして、だいたい60%程度の合格率の偏差値をその学校の偏差値と決定 しているようです。

 

ですから、テスト会社によって高校の偏差値は変わってくるということですね。また、100人のうち60人が受かる偏差値が高校の偏差値になるということは、それ以下の偏差値であっても受かる可能性が皆無ではないということです。

 

逆に、高校の偏差値と同じ偏差値がとれていても安心している場合ではないということも分かりますね。偏差値65の高校で、模試偏差値65であれば60%の合格率であるということです。100人受けて40人は落ちてしまう偏差値だということです。

 

偏差値50と偏差値75の違い

 偏差値50と偏差値75はそりゃ違うでしょう!と思うかもしれません。ただ、数値が違う、優秀さが違うということではありません。偏差値50の人はたくさんいて、偏差値75の人は少ししかいないというのが1番の違いになってくると思います。

 

1000人が受けた模試だと考えてみましょう。

 

偏差値75の高校を目指して模試偏差値75以上を取れる人はとても小数です。偏差値75は上位0.62%となるので1000人中6位までは偏差値75以上ということですね。偏差値74だと上位0.82%、偏差値76だと上位0.47%だそうです。ということは偏差値74だと8位くらい、偏差値76だと4位くらいだということです。偏差値が1上がっても1下っても順位は2番しか変わりません。

 

つまり上位の学校の偏差値ははっきりいってよくわからないよってことではないでしょうか?明らかにデータは不足するし、上位層が必ずしも同じ学校を受けるわけではないのですから。偏差値70だとしても1000人中の22位と上位になるので、挑戦できないこともないような気がします。上位校であればあるほど入試対策をしっかりして学校ごとの対策が必要だと感じます。

 

しかし、偏差値50の学校を偏差値だけで判断するのは本当に難しいと思います。なぜなら偏差値50はたくさんいるんです。偏差値50と偏差値51では点数の差はほんの少しですが、順位は大きく変わってきます。偏差値51だと上位46.02%、偏差値50は上位50%、偏差値49だと上位54.0%だそうです。偏差値51なら460位くらい偏差値50ならば500位くらい偏差値49なら540位くらいです。偏差値75の場合と比べて同じように偏差値が1違うだけなのに40番も違います。

 

偏差値が50に近づくほど同じような点数の人が多いということですから、偏差値50の学校を選ぶ人のちょっとした傾向によってその年の高校の難易度が変わってくるということです。

 

合格者偏差値平均は参考にしよう

偏差値だけでは学校を決めきれないことが分かったところで何を参考にしていけばいいでしょうか?

 

 模試の結果のなかで、過去にその学校に合格した人の偏差値の平均は参考になります。模試のレベルによる補正を考えなくてもすむので、その回の偏差値と合格者の偏差値を比べることで、合格できそうかどうかを感じることができると思います。ここでも平均値であることを考慮してその偏差値が合格した人のだいたい真ん中あたりのものだと理解するといいですね。

 

志望者内の順位も参考になる

 その模試での同じ高校の志望者内の順位もある程度参考になるでしょう。必ずしも志望する人が全員受けているわけではないですが、結局入試は受けた人の中の順位で決まるのであり、受験者の偏差値で決まるわけではないからです。志望者の中でその高校が募集している人数以内に入っていれば可能性はあるということです。

 

300人が合格する偏差値60の学校で偏差値58でも志望者が500人のうち250番なら合格できるかもしれません。でも300人が合格する偏差値50の学校で偏差値が51だとしても志望者が800人いて400番だと合格は厳しいかもしれません。

 

志望している人が何人いて、どれだけの人数が合格するのかを把握することで、合格までの距離が少しわかるのではないかと思います。

 

偏差値を正しく理解しよう

 偏差値は非常に便利な数値ではありますが、正確に理解して冷静に利用していく必要がありますね。その学校に合格する可能性が0ではないということを確認できればいいのではないかと思います。

 

入試は模試の偏差値で決まるわけではありません。結局は同じような偏差値帯の受験生が集まった中での順位を競うわけですから、その学校の入試問題さえ解ければ、模試の偏差値は全く足りなくても何の問題もないわけです。

 

どの学校も受験はとても厳しいものです。その学校の入試対策をしっかりして心残りのないように当日を迎えられるといいですね!

 

 

では!最後まで読んでいただきありがとうございます!